20240316 焼ける胃は モズクがいいと 女房出す

どうも寝る前になると、何か欲しくなり、食べる。それに毎日のワインもいけないのか。少し胸やけがして、夜中にみがっ覚めることがある。女房にいうと、胃薬の代わりにモズクを出した。おいしかった。

20240315 コブシ咲く 春の雪かと 真っ白に

部屋から大きな辛夷が見える。今年も咲いた。一瞬春の小山に雪が降ったかと思うほど、大きな木を、真っ白く染め上げた。いよいよ春だ。

20240315 鶯の 初声聴きて ゴルフ場

ゴルフ場は、天気だったが、風が時折強く、まだ冷たかった。 スコアは悪かった。しかし鶯の声を聴けたことは、この日の唯一の収穫だった。

20240314 春の日の 衣一枚 脱ぐ軽さ

コートを一枚変えた。こんなにも体が軽くなったと驚いた。

20240303 誰似かな ジジババ競う ひな祭り

この額はお前、意地の強さは貴方、孫はどんなになるのだろう。

20240202 影薄し 冬の陽されど 暖かし

薄くて柔らかい影を創る冬の日差し。その暖かさは心地よい。あの秋の濃いい影はどこへ行ったのだろう

20140115 廃屋に老梅咲きて一木の華      20240115 廃屋に 気品を残す 梅の華

もう何年も人が住んでいない廃屋の庭に今年も見事に白梅が咲いた

20240111 冬早暁 刻一刻と 刻む針

勤めの日の朝、時計の針とにらめっこしながら、布団のぬくもりを惜しむ

20240108小春日も 災地想えば 重くなり      20240108 平穏が 一番なりと 冬日向

飛び上がりたいようなのどかな日差しも、被災地のことを思うと、気が沈む。この小春日平穏さを味わえることが一番だと、ありがたく思う。

20240103 初詣 ようようすれば 水仙は芽

やっと初詣、荒神さん、松陰神社。人麻呂神社。道端の水仙の茎は、刀のように丈夫な太い茎をまっすぐに伸ばし、しかも深い緑だ。やがて、独特の匂いを放つ花が咲くだろうが、この茎の力強さで、うなずけた。

20240102 日航機 炎上辰年 波乱明け

元日に続き大事故。しかし乗員がすべて無事と聞いて、奇跡だと思った。今年の生末が怖い

20240101 屠蘇酔いの 気分も覚める 能登地震

例年通り、子や孫が集まり、まあまあの新年を迎えていたが、テレビ画像に迫力ある画像を見て、大変なことになると思った。

20240101 初夢は 古女房の 若き顔

不思議なことに、元旦の初夢は、久美子のきれいなおでこの顔だった。2日目は、きれいな鳥からひなが誕生する夢をみた。3日目も、確かにめでたい夢を見たが、3日続けてめでたい夢を見るのが恐ろしくて、忘れようとしたら、起きた時には忘れていた。

20231231 容赦なく 今年最後の 夜が明ける 20231231 トウトウに 今年最後か 顔洗う  20231231 大晦日 第九が響く ご苦労さん

とうとう今日で令和5年も終わる。淡々と来たようだが、いろいろあった。まあよくやったと思う。無事に終わってよかった。ご苦労さんと自分に声をかけたい。

20231226 来週は もう今年でない 大掃除

ハッと気づけば来週はもう今年ではない。何か今年成し遂げたことがあったのだろうかと振り返るが、あまりパとしたものがない。気が付けば机の周りが雑然としたばかりが目に付く。いらないものは捨てようと思うが、なかなか思い切れない。こんなことでは大掃除もままならない。そうして順送りにしてきた山の中に、懐かしい写真があったのが救いだ。しかし落ち着いて考えると、今年も色々あることには、あったものだ。雑然とした山の中に、忘れかけた欠片があった。やはり大掃除はたまには良いことだ。

20231218 木枯らしや 夢うとうと 故郷が  20231218 故郷は 吹雪だろうか 朝寝坊   20231218 吹雪く中 突進する エネルギー

昨夜から天候が急変し、寒くなった。里のほうは、大雪警報も出ているようである。外は風が吹いている。私は布団の中から出られない。そのままうとうと夢を見た。ふいに吹雪に向かって突き進む列車に乗って、鳥取日赤に赴任した日のことが思い出されて起き上がった。

20231204 年の瀬や 昨日快晴 今日氷雨

年の瀬の天気も何か気ぜわしく変わる

20231201 カレンダー 一枚捲りて 師走入り

11月が12月になっただけで、気分がこうも忙しくなるものかと驚く。しかし本当に一年が早かった。

20231108 還り花 輝きあれど ちと寂し

季節外れの桜が咲いていた。瞬間なんと華やかだろうと思ったが、やはり秋の雰囲気は寂しい。 

20231102 澄わたり 明暗分ける 秋日差し            優し気に 秋の夕暮れ 人恋し

この頃ほど日陰と日当たりの区別がはっきりする季節はないし、夕暮れ時にはなんとなくさみしい気持ちにもある。

20231101 ゴルフ玉 直ぐも曲がりも 秋日向      よたよたと 後期高齢 球を追う

久しぶりにゴルフに出た。秋空は快晴。気持ちの良いことこの上ない。しかし最後は疲れた。 

20230929 飽きもせず 空眺めてる 秋の旅       秋空や 電車の揺れと その音と       昼間から 酒を飲みのみ 秋を行く       ビルも良い 山も良いよい 秋の空    この命 苦があればこそ 生きる価値              お伊勢参りの 砂利を踏みつつ

久しぶりに旅に出た。新幹線に乗っても、電車に乗っても、空を眺めているだけでいい。こんな気分は久しぶりだ。奈良から伊勢、志摩の旅した。

20231011 蜘蛛の巣を 透かして見える 秋の空

なんとなく蜘蛛の巣が多い季節だ。蜘蛛の糸は見えないが、中心と思えるところに蜘蛛が頑張って浮いている。鳥が来ないだろうかと心配だ。それにしても、秋の空は澄んで、そして高い。

20231011 間引き菜を 一手握って 朝の膳

コカブや春菊が育ち始めた。可愛いものだが、少し間引かなければならない。その新鮮な緑を頂いた。もうコカブは少し辛く、春菊は苦みの独特な味がした。

20231004 風呂を浴び 今日の終わりの 新酒かな2301005 これ新酒 五臓六腑の うめき声

秋めいてきた。畑に種を撒いた。庭の草も引いた。ゴルフの練習もした。図書館で本も読んだ。今日も無事に過ぎた。酒が上手い。まだ新酒を味わっていないが、良質のワインを頂いた。コルクを抜くと、豊潤な香りがまず漂い、舌にのせると、全身に香りの味が広がった。もっとワインが飲みたくなった。新酒も早く味わいたい。

 

20231006 秋立や お茶の一服 穏やかに

涼しくなった。周りが落ち着いてきた。正座してお茶を点てたくなった。

20230925 土を鋤き 空を眺めて 秋はじめ   20230925 野良仕事 腰を伸ばせば 秋の空

トウモロコシを収穫してそのままにしておいた庭の小畠を耕して、小松菜、ほうれん草、コカブ、水菜、春菊など植えた。水分を補給しながら、腰を伸ばし伸ばし、時には椅子に座りながら、仕上げた。土の湿り気を帯びた感じ、小さいながらも耕運機を回すと良い土になった。しかし腰も痛くなり、本当に休みだった。歳を感じたが、見上げた空に秋を感じる感性も、この歳のお蔭かなとも思った。

20230926 秋の神 刷毛で描きし すじの雲  20230926 キャンバスは 青い空かな 羊雲20230926 キャンバスは 青い空かな 秋の神

すじ雲が青空に刷毛で描いたように広がる朝を迎えた。秋の神様がやって来た。

20230918 草の生 昼寝の間にも 働いて

9月になっても暑い日が続く。1週間もすれば、庭の芝は荷び放題になってしまう。本当にこちらが昼寝している間にも、伸びているようだ。しかし今回は週末にならなければ、刈れない。ヤマボウシの木の葉が一番に散りだしたし、コナラの下にはどんぐりが無数に落ちてきた。週末までまとう

20230913 水風呂や 五臓六腑の 暑気を追う 20230913 満月や 五臓六腑を 湯に浸し

久しぶりに田万川温泉に行った。以前は泥風呂であったが、リニューアルしてきれいな湯になっていた。サウナもあった。水風呂に全身を浸すと、全身から残暑のけだるさが抜け、吸う息も清涼になり、身体の隅々まで清涼さが入り込んだ。久しぶりに湯上りに身体が軽くなっているのに気づいた。この露天風呂で、万月を望むとどんなに気持ちが良いだろうと思った。

20230912 月待てど 待てども出ずや 虫の声

今月の花鳥会の季題は月だが、一向に月を見ない。しかしベランダに出ると、涼しくて、虫の声が良い。虫たちも月を待っているのかしら

20230912 吾亦紅 葉が少しあり 未完成

今年も、妻が、吾亦紅を活けてくれた。しかしまだ少し青い葉が、下の方についている。それに茎も花ももう少し枯れていない。湿り気がある様だ。私の感じではもう少し乾いて枯れたほうが良い。

20230903 虫の夜を 歩めば月が ついてくる      虫の夜に 月はおぼろに 沈む町      ロッキング チェアをゆすり 浴びる月      秋立や 窓開けはなし 風招く       大木の 陰に潜むや 秋の風

20230828 秋立つや ただ一服の 朝の風    20230828 朝の風 一服招き 秋を知る   20230828 暑きこと 汗びっしょりに 蝉の声

まだ暑いが、朝目覚め一番 雨戸を開けると、なんとも言えない涼しい風が流れ込んで来るようになった。秋は近い。しかし日中はまだまだ炎暑である。10分も外に出れば、全身を汗が伝う。

本を出版できました「父からのメッセージ₋ある整形外科医の道」文芸社

自伝のようなものですが、父の死をきっかけに、父の遺稿を読み、何か書けると思い、コロナ禍の2年間をかけて執筆しました。①生きる意味について問い詰めた心の旅 ②さらに今こうしてクリニックで診療を続けているのは、私の意思というより、祖先の意思が私をこうさせているのだという事に気づいたこと ③初心不可忘の真の意味はなど、私自身の75年の歩みを振り返りながら書きました。8月15日発売です。よろしければ読んでみてください。

 

 

20230821 山影に ちょいと休めば 萩の花  20230821 玉の汗 影踏みながら 夏を往く 20230821 熱風の 吹く町皆 午睡かな     20230821 熱風の 町静まりて 救急車  20230821 大木の 下に休めば 秋近し

いつまでも暑い日が続くが、家の中に居ても体がだるくて重くて仕方がない。思い切って、夏空の下に出てみた。10分も歩けばやはり汗が噴き出してきた。丁度山影に入るとピンク色の萩の花が風になびいていた。やはり影は涼しい。影を拾って歩いた。それにしても、この炎天下、歩く人などどこにもいないようだ。車は通るが、待ち全体が妙に静かだ。やはり、皆家の中にいるのだろうか。そう思っていたら、救急車のサイレンの音が響いてきた。人麻呂神社まで歩いて、大きなケヤキの木陰に休むと、涼しい風が吹いてきた。やはり秋は近いようだ

20230722 山里の 朝は山の端 染めてから  20230721 山里の 夜は長くて 天の川   20230721 山里の 清涼サプリの 百万倍 20230721 ひぐらしが よう帰ったと 里の暮れ 20230721 墓掃除 石塔の膝 ちょいと借り   20230721 墓掃除 石塔の影 ありがたや

久しぶりに故郷に帰った。炎天下墓掃除をした。時々石塔に腰を掛けて休んだ。何かホットした。先祖の膝に抱かれた感じがした。それにやはり何と言っても影の方がよかった。昼間の墓には石塔の影しかなかった。夜は、何もすることがないので9時前には寝た。12時ころには目が覚めた。窓の外を見ると、星に手が届きそうなくらい近くに見えた。空気が何か美味しい。エアコンは不要で、朝など少し肌寒いくらい。そういえば、夕方にも朝方にも、外に出ると日暮が鳴いていた。古里だと思った。

20230711 足裏も 焼けつく熱さ 海開き    20230724 百日紅 蝉も賑わう 夏来たり   20230724 虎刈りも いいではないか 庭の芝

梅雨が明けたようだ。空気は軽くなった。空は青い。この間まで百日紅の花はあまりピンク色をしていなかったが、だいぶ色づいて風にたわわな花を揺らしている。ミツバチだろうか。数匹が花を廻っている。蝉の声も賑わってきた。僕は短パンとランニングで日の昇らないうちに芝刈り

20230710  男雨 お前も避難 雨蛙

北九州地区の大雨のニュースが終日流れていた。萩も時々激しい雨が降った。雨上がりふとスイカが気になって庭に出ようとしたら、ベランダのサンダルの上に可愛い雨蛙がいた。大雨に避難したのかと話しかけながら、サンダルを履いた

20230707 七夕や 昔の手紙を そっと出し  20230701 海開き これほどの自由 滅多なし      海開き 水平線線まで 広き事       何もかも 脱いで軽やか 海開き

7月の兼題 七夕 海開き どちらも想像

20230701 目覚めれば 蛙の合唱 天の川

蒸し暑い日が続き寝苦しさのあまり雨戸を開けた。外は蛙の合唱、そして天の川もきっきり見えた。涼しくなった。

20230704 梅雨曇り 社の水で 口ゆすぐ

家から人麻呂神社まで約40分歩いてお参りすれば、汗も服に染みて来る。手を清め、口を漱ぎ、涼風を待った。

20230619 どっかりと 山の見守る 青田かな

水田の苗がしっかりとしてきた。その向こうには見守るように山が構えていた。豊年だろう。

20230619 夏草が 一村すべて 飲み込んで

梅雨の合間。大島までドライブした。夏草の勢いが良い。一村すべて緑に飲み込みそうな勢いだ

20230602 霧雨を 切り裂く如く 燕かな

ベランダでロッキングチェアをゆすらせていた。梅雨の中、重い霧に蓋われて、日はあまり届かない。海底のように静かな中に、緑が映えている。ツバメが低空を飛んだ。雀と違い、切り裂くように、滑るように滑らかに行き来する。ツバメを見るのは久しぶりの気がした。

20230530 出てみれば 日はまだ残り 月終わる

5月ももう終わりだ。今日も無事に終わった。仕事を追えてクリニックの外に出るとまだ日は残っていた。還ってまたすこし動く時間がある。ゴルフしようか。草を抜こうか。それより無事に過ぎていくことが嬉しい。

20230531 水走る 田植え間近の 水路かな

田植えの準備が始まった。もう水田になっている所も、耕しがおわったばかりの田もある。蛙の鳴き声も聞こえる。水路には水がいきわたって、さらさらと小気味よく流れる音がする。

20230530 雨しずか 孫はテストで 奮闘中

中学一年の孫が、初めての中間試験だという。私は、校正を終わり、ロッキングチェアで本を読む。

20230518 玉ねぎの 丸々太る 五月晴れ

今年の玉ねぎの大きなこと。5月になり急に丸々と太ってきた。収穫が待ち遠しいが、患者さんに聴くと、青い茎が萎れてきたことだという。まだ茎は青く元気だ。

20130518 走り梅雨 待ちて苗植え 一休み

小畠にオクラを植えようか。何を植えようか待っている間に、しとしと雨が降ってきた。急いでオクラの苗を植えた。

20230518 ぽつぽつと 黴の浮かんだ 餅削る       気が付くと 雀の餌か パンに黴               樟脳の 香も懐かしき 父着物            兼題の 黴にてこずり 雨しずか

今月の花鳥会の兼題は黴だという。最近は黴などあまり見たこともないが。

20230516 下草を 刈りて紫陽花 まだ緑   20230518  下草の 伸びる間に間に 七変化

下草刈を終えて腰を伸ばすと、紫陽花の小さな緑の花が笑いかけた。腰の痛みも消えた。2日もすると、下草がまた青く伸びてきた。紫陽花も白・紫ぶり、大きく膨らんできた。自然の変化は目まぐるしい。

 

20230517 玉ねぎの 丸々太る 五月晴れ

玉ねぎが5月になり見るみる大きくなってきた。頼もしい。

20230518 走り梅雨 待ちて苗植え 一休み       20230518 水遣りや 朝の畑の ブチ元気

東京は30度を越したそうだが、萩は雨。オクラの苗をようやく植えた。

昨日は萩の気温も夏日、プランターのトマトも、畑のナスもしょんぼりしていた。夜になり、思い出して水をやったら、朝は元気に葉を広げていた。

20230518 ポツポツと 黴の浮かんだ 餅削る

20230503 露天風呂 薫風も来て 一寝入り

津和野から願成寺温泉に行った。サウナを久しぶりに楽しみ、3つある露天風呂も十分味わった。薫風が、周囲の緑を揺らし、露天風呂の私にも渡ってきた。少し眠くなったので、静かな休憩室の畳の上で一寝入りした。肩の凝りが無くなって、頭もすっきりした。

20230501 春の雑草(くさ) 無数と言えど 限りあり

五月の空が眩い。しかし芝生に目を向けると、3.4日前に刈った芝生は奇麗にそろっているが、西日を受けて、雑草の葉が無数に光って気になった。仕方ないから草取りをした。終わってみると無数と思えた雑草が片付き、奇麗な芝生の庭になった。万歳。

 

 

20230418 春は行く ピンクホワイト 赤緑

ピンクの桜が過ぎれば、ウズキの白、赤のさつき、今は何と言っても、萌える緑

20230417 山里や ダダ一対の こいのぼり

田舎をドライブしていると、鯉のぼりが一つ泳いでいた。恐らく3世代家族だろうと、明るい家族の姿を想った。子供は、健康に元気に育つだろう。

20230417 こいのぼり 取り子取り嫁 初孫や

私達は二人とも養子だ。長男が生まれた時、養父はおよそ10mもあろうかと思われる鯉のぼりの支柱を、セメントの土台に鉄骨で建ててくれた。養父の優しさを思い出す。

20230404春は行く 緑り緑と 緑萌え     20230417目覚めれば また一段の 緑かな   20230417 稜線を 這い登るかな 春の息    20230417 若緑 鳥のさえずり 声に艶

本当に緑が濃くなった。数日まで枯木模様の百日紅も葉を噴出した。コナラの葉は、もう4.5㎝になり、枝を隠しだした。山々を緑が登っていく。稜線まで息吹が伸びている。散歩に出ると、紅葉の緑がひときわ鮮やかだ。鶯や鳥の声も聞こえる。恋の季節だろうか。声に艶があり、一段ときれいに聞こえる。

20230331 満開の 桜の下を 歩く幸

やはり満開の桜は華やかで心が軽くなる。もう何回この桜の下を歩けるだろうか。そんなことを想う年頃になったかと思うと、少し寂しくもなる。

20230328 山登り 一息つけば 山桜          20230328 山桜 ただ一本で 山は華

長い階段だった。登りきったところでホット目を上げると、満開の山桜があった。

20230322 春うらら パチンと弾く 野焼きかな     20230322 春霞 野焼き煙が 鼻くする

薄曇り、散歩していると、パアーンと弾ける音がした。野焼きの音だ。

20230322 堂々と 桜見下ろす 二層門         20230322 公園の 枝垂桜の 厚みかな

東光寺の二層門、その横にりっぱな桜が満開だったが、二層門にはかなわない。

陶芸の里公園に枝垂れ桜がある。枝垂れ桜は一本で十分存在感があった。

20230309 藪椿 一人ニッコリ 赤い花    20230309 満開の 河津桜や この年も 20230309 春の野や ピンクホワイト あちこちに 20230309 田楽や 山椒味噌で まず一献    20230314 春眠し 朝のしじまを もう少し

春がやってきたという感じが、日に日に増します。

20230222 雑草も 私も元気 二月の陽         20230222 雑草の 笑みに手休む 春日向

風は冷たいが、日差しが暖かったので庭の芝の中の雑草を抜いた。芽を出したばかりの雑草が、葉を一杯に広げている。雑草にも愛らしさがある。しかし、放っておくわけにはいかない。抜く手を休めて、腰を伸ばしたが、次々に抜いていった。雑草の子等と追いかけごっこの気持ちだ。春の日に私の背中も暖かく、1時間もすると、汗をかいた。

20220220 山道に 赤い椿の 花三つ    20200220 藪の中 一人気高く 椿姫

久しぶりに、田床山に登った。久しぶりの山登りできつかったが、冬枯れした山道に赤い椿の花が落ちていた、なんとも言えずただ美しいと思った。

20230210 論文は 卒寿の雫 年明ける

学の2代のも前の教授から研究論文を頂いた。幾多の大病を患っておられることは聞いていたが、若い頃からのテーマを忘れずに、研究機器の進歩を見据えて、卒寿になり、そのテーマを進化されたということだ。医学研究者としての覚悟に頭が下がる。私は、人として生きる意味を問い続ける毎日だが、このような生き方も素晴らしい。昨年は大恩人の訃報が数多かったが、今年はよい年になりそうだ。

20230209 白魚を すくう漁師の ごつき手よ

今年は「白魚漁をしなくては。去年は捕れなかった」という漁師さん。手は節くれだったゴツイ手だった。

20230206 ふと匂う かすかな香り 梅の花

曇天で陽は射していない。風はまだ冷たい。全身を縮めて歩いていたら、かすかに匂いがした。頭を上げると紅梅が満開だった。春が来たのだ。背を伸ばそう。

20230117 まず一歩 薄氷張る 下り坂       20230117 薄氷(うすらい)の 溶け行く隣 雪中花 20230126 酷寒を 事もなしやと シベリア兵 20230126 薄氷 割って歩くや 半ズボン

20230116 妻帰る 白梅の朝 迎えたり

116日曇天、雨が降り出しそうな雲行きだが、意外と暖かい。9度だった。同級生が亡くなったと言って、久美子が一昨日東京まで行って、昨晩帰ってきた。昨日は開かなかった寝室の雨戸を開けると、梅の古木がもう白い花をつけていた。二人そろって梅の花を見られることは、幸せだ。

20230113 枯庭の 片隅水仙 芽は緑         天暗し やがて時雨か 浮寝鳥

今日は昨日と打って変わって曇天。黒い雲が重く空を覆っていた。時雨になるだろうと思いながら、庭の芝の間に生えている雑草を引いた。庭の隅に水仙の堅い緑の株芽を見つけた。雑草と違う気品があった。見とれているうちに時雨になった。

20230112 嗚呼自由 冬晴れ青く 空広く       万歳と 叫びたいよな 冬晴れ間

冬なのに暖かい。外に出てみると、真っ青な青空。コートぬぎすて、思わず自由だ。万歳と叫びたくなるような快晴だった

20230111 濁り酒 大和保夫に まず注ぐ

めったに手に入らない秋田の濁り酒を頂いた。大和保夫の萩焼きぐい飲みで飲んだ。ぐい飲みも濁り酒も良かった

20230104 山茶花や 陽は明るくて 気は凍り

山茶花の気品には、凛として凍るような空気と、明るく澄んだ陽の光が良い

 

 

20230102 山茶花に 誘われて入る 空き家かな 20230103 無人宿 一人で守る 山茶花か

山茶花の大きな木に一杯咲いていた。あまりに奇麗だったので覗いてみると、人の気配はなかった。

20230102 一人身の 俺も仲間に 浮寝鳥

渡り鳥が羽を休めている風景を見ると、私も仲間になりたい

20230101 神殿に 溌つる霊気や 初詣

初詣するといつも不思議なエネルギーを感じる。神気ともいうそうだが、今年の正月は暖かかった。陽の光に草木が勢いついていた。その気配だろうか

20230103 蕗の董 三寒四温 すぐ近く         20221227 冬至過ぎ 三寒四温 隙間風

冬至が過ぎたのに萩は積雪、寒い暮となった。これから向かう大寒が恐ろしい。三寒四温の頃までにはまだ遠い

20221219 嫁と妻 雑煮それぞれ 味自慢       雑煮餅 妻は三角 嫁四角

雑煮は色々あるものだ。これを入れる。珍しい。こんなの初めて。いろいろと話が弾む。

20221216 時雨日の 日差しつかの間 寒すずめ

時雨の日はなんとなく暗くやはり気が重くなります。しかし、少しだけでも日差しがあります。その合間に外出すると、保育園の運動場の芝生の上に雀が一群れを作っていました。寒すずめは、丸々と羽を膨らませていましたがやはり寒そうで、夏のように落ち着かない様子はなく、固まって一心に芝生の中の何かをついばんでしました。厳しい寒さの中にも、繋がりを感じました。

202212111 極月の 破れ手帳の 重さかな

手帳に綻びが目立ってきたが、今年一年の重さが詰まっているようで、少し重さを感じる

20221209 冬の日は 山を影絵の スクリーンに

冬の西日はほぼ水平に差し込んでくる。山の紅葉を引き立たせるかと見れば、山の影は黒く影絵になっている。その明暗に驚く。澄んだ空気のせいであろうか。

20221207 大掃除 障子はたけば 祖母還る

12月の季語に障子がある様だが、周囲を見回すと障子のある家が少なくなった気がする。我が家も仏間にあるだけで、築後56年になるが、張り替えてはいない。障子紙が丈夫になったのか、二人だけの生活になったためか、まだ当分張替えは必要なさそうだ。しかし、障子をはたけば、冷たい水を使いながらした張替えを、祖母の思い出として思い出す。

20221205 ただ一本 コナラ枯葉の しぶとさよ

庭のハナミズキ、ヤマボウシ、そして百日紅と葉を総て落とし、やれやれと思っていたら、今度はコナラの枯葉が、毎朝庭に散らばっています。しかも、その数は前三者とは比べ物にならないほど多く、毎朝驚くほどです。それでも、まだコナラの木には青い葉もあり、繁っています。このすべてがやがて赤銅色に変わりますが、それでも新芽の出る4月ごろまで葉をつけているのが、コナラのようです。それまで、僕は庭掃除を続けなくてはいけません。この歳になると、一年が超早く感じられますが、僕もコナラのようにしぶとく生きたいと思っています。

 

 

20221205 高速道 車列が続く 師走かな

少しばかり行動制限が緩み、高速道を走りました。久しぶりに高速運転の快感を味わいましたが、トラックの車列の長さに驚きました。師走の気ぜわしさも感じました。私は、今年免許証の更新で、実地研修を受け、次にはいよいよ認知症検査も受けなくてはならない歳になり、少々驚いています。あまり遠出もすることが無くなりましたが、いつまで運転できるか、自動運転の時代が早く来ないかとも思っています。この歳になると、一年が超早く感じられます。高速運転でなく、ゆっくり列車の旅でもできる日が来ないかと思っています。

20221110 軽やかな 枯葉も萎む 時雨かな     黒き雲 西に現れ 時雨かな             庭枯葉 掃き終わる間の 時雨かな          七五三 時雨は過ぎて 虹の橋

庭掃除をしていると、突然西の空が黒くなり、そしてすぐに時雨になった。秋の空はやはり気まぐれだ。どんどん大粒になってきた。軽やかな枯葉の山が、縮まって小さくなった。掃除はいったん終わりだ。

今年は2人の孫が七五三を迎えた。赤い着物もあでやかに着飾った女の子の孫は、少しお姉さんぽくなり、末恐ろしい気もした。それに比べ、男の子の孫は少し照れてもいた。女の子と男の子の差だろうか。七五三の帰りに、見たこともないほどきれいな虹にあった。しかも二重に虹が立っていた。一つの虹は手の届きそうなほど近くにはっきりとくっきりと、その後ろにもう一つの虹がうっすらと。こんな虹は初めてだった。これは吉兆かな。

221104小春日や 縁側に花 御婆かな                     小春日の 暮れて待たるる 燗一杯          小春日や 座る畳の 暖かさ

庭先で何やら話に花が咲いている。意外なことに、知った顔もある。僕も仲間になれたら良いが、僕はもう少し歩いて行こう。

庭掃除、枯葉が多くなった。どんぐりも多い。小春日和に汗をかいた。今日は熱燗を飲みたい。

伊藤博文公の少年時代を過ごした茅葺の家が改装されて公開された。小さな家だった。畳に座って、ボランティアが書いた

説明文を読んだ。座わった畳が暖かかった。そういえば、僕の家には畳が少なくなった。